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クラスター爆弾とは?


■ 爆弾の仕組み

クラスター爆弾の仕組みは、1発の親爆弾の中に数千個の子爆弾が収納されていて、親爆弾が空中で爆発するとたくさんの爆弾が広い範囲にばらまかれるというものです。

クラスター爆弾<空中投下型> クラスター爆弾<地上発射型>

子爆弾は戦車や建物、硬い地面に当たると爆発しますが、やわらかい畑や沼地などに落ちると不発のままになり残ってしまいます。不発のままの子爆弾は、地雷のように人の手で埋められたものではないので、そのまま地面や草原に転がっていることがおおく、子どもたちが鉄くずとまちがえて拾い集めたり、おもちゃにして遊んだり、蹴飛ばしたりすることもあり、とても危険です。

クラスター爆弾が歴史に登場したのは、70年近くまえの第2次世界大戦のときでした。世界ではじめてクラスター爆弾を使ったのはソ連軍とドイツ軍だといわれています。

クラスター爆弾は、爆弾を集めて束にした爆弾だから「集束爆弾」、あるいは大豆のサヤの中に豆が入っているように、親爆弾のお腹に複数の子爆弾をかかえている構造になっていることから、「親子爆弾」とも呼ばれます。英語のクラスター(cluster)という言葉は、「ブドウの房」の意味で、1つの房にたくさんのブドウの実がついている様子を表しています。

第2次世界大戦で本土空襲を体験した年配の方には、アメリカ軍が落とした「焼夷弾」という爆弾を忘れられないと思います。この焼夷弾もクラスター爆弾の1種と言われています。

クラスター爆弾発射には、2つの発射方法があります。
爆撃機から投下する空中投下型と、地上から大砲やロケット砲によって発射する地上発射型の2つです。

<空中投下型>
親爆弾(弾筒。キャニスター、またはディスペンサーと呼ばれる)には後部に羽がつけられていて、爆撃機から投下されると風圧で回転しながら落ちていきます。

前もって設定された高度(90メートルから900メートルくらい)まで落下すると、親爆弾の後部が自動的に開き、数個から数千個の子爆弾がばらまかれます。どれくらいの範囲にばらまかれるかは、高度や風速などによって決まってきますが、親爆弾1発がもたらす被爆面積(フットプリント)は、じつにサッカー場3面分におよびます。

<地上発射型>
大砲やロケット発射システムから砲弾やロケット弾を発射する方法です。ロケット弾の最大射程距離は32キロメートルとされていますが、ロケット弾には誘導装置がないため、風の影響を受けやすいという弱点があります。発射された親爆弾は設定されていた時間に空中で爆発して、攻撃目標の上空で子爆弾をばらまきます。親爆弾を発射させる「多連装ロケット発射シムテム」(MLRS)は、1分間に12発の親爆弾を連続的に発射することができます。



■ 爆弾のもつ威力

クラスター爆弾の子爆弾は1個でも人の命を奪ったり、戦車を破壊して走行不能にさせるのに十分な破壊力をもっています。「湾岸戦争」でアメリカ軍が使ったBLU-97という子爆弾は、ビールのロング缶ほどの大きさ(6センチ×20センチくらい)で筒状の形をしていて、中には混合された高性能爆薬が287グラム入っていました。

この高性能爆薬が爆発すると、鋼鉄製の筒が300個ほどの破片になって、毎秒5000メートル以上の超高速で周囲に飛び散ります。この破片の威力は、戦車などに使われている12.5ミリの厚さの装甲鉄板を貫通する威力があるといわれています。

さらには、ジルコニュームという発火剤が入っていて、これが飛び散って、戦車や戦闘車両を炎上させ、燃料倉庫や爆薬庫、建物などに火をつけます。1回の作戦で200発以上の親爆弾が投下され、1発の親爆弾から子爆弾が数個から数千個ばらまかれますので、その被害はとても広い範囲におよびます。

クラスター爆弾は、兵器の分類からいえば、地雷などと同様「通常兵器」に区分されるものですが、1発の親爆弾がもたらす威力を考えると「大量破壊兵器」に準ずるものだともいえます。

核兵器、化学兵器などの「大量破壊兵器」はいまではそれを使用することは国際社会から厳しい批判を受けることになるため、どの保有国もあくまで「抑止効果」として保有していますが、規制のゆるい「通常兵器」をより攻撃効率の高い兵器に「改良」して、実戦配備するようになっているのです。

子爆弾の性能を上げれば上げるほど、その威力を増すクラスター爆弾は、強い軍事力を保持したい国々にとっては手放すことができない兵器として改良されてきました。兵士と民間人を区別することなく「面」としての攻撃に踏み切った作戦で、より広範囲に威力を発揮する兵器が、クラスター爆弾なのです。



不発弾化するクラスター爆弾


■ 「第2の地雷」と呼ばれる所以

クラスター爆弾の最大の問題は、設計されたとおりに機能せず、多くの不発弾を残すことです。

もともと爆弾には一定の割合で不具合(不発弾)が出ますが、一度に大量の子爆弾をばらまくクラスター爆弾なら、その確率は大きくなります。加えて、使用するときの状況や発射角度、落下地点の状態にも大きく左右されます。

クラスター爆弾の製造業者は、2%〜5%の不発率と公表していますが、この不発率は、たとえばコンクリートのように硬い物の上に落ちた場合など、爆発しやすい条件での実験データとされています。実際に投下される場所は水田や畑、沼地やジャングル、森林、砂漠などさまざまです。やわらかい場所に落ちたものは不発のまま地面に埋まってしまいます。
レバノンでは、大量の子爆弾が、果樹園に落とされ、パラシュートやリボンなどが木などに引っかかり爆発しないで残りました。

クラスター爆弾を使う軍関係者は不発率を5%〜12%と、製造業者よりもすこし高めのデータを公表していますが、実際に地雷や不発弾の除去に携わっているNGO関係者からは、5%〜30%が不発弾となってしまうという報告がなされています。

30%という不発率は、100発中30発が爆発しないで残ってしまうということですから、見方をかえれば、空から「地雷」をばらまいているようなものです。実際、戦闘が終わってからも、不発弾が兵士と一般の市民の区別なく無差別に被害を与え続けることから、クラスター爆弾は「第2の地雷」と呼ばれているのです。



■ 不発子爆弾の撤去の難しさ

赤十字国際委員会(ICRC)は、クラスター爆弾の子爆弾の除去は、迫撃砲弾やロケット砲弾、大きな500キロ爆弾といった他の不発弾の除去に比べて、困難な作業だと指摘しています。子爆弾の信管は外気温の変化のみでも爆発してしまうほどセンシティブで、信管を除去することはできず、その場で爆破処理しなければなりません。
強風等で子弾が動くと爆発する可能性もあるため、悪天候時には作業が行えず、地雷探知犬も子爆弾に触れてしまうため使用できません。子爆弾の威力は地雷除去機を破壊することもあるほど強力で、電磁波に反応して爆発することもあるため、通常の金属探知機は使用できないのです。子爆弾の威力の高さは、不発弾事故における死亡率をも高めています。また、子爆弾は小さく、リボンやパラシュートもついているため、子どもが爆弾と知らずに子爆弾で遊んで被害にあう例も多発しています。



日本の所有について


■ 日本、クラスター爆弾禁止条約の批准を決定!

日本の批准決定を伝える毎日新聞記事
2009年6月10日、クラスター爆弾禁止条約の批准承認が参院本会議で可決され、日本の条約批准が決定しました。5月12日の衆院本会議に続き、全会一致での可決となりました。

本条約は、批准国が30ヵ国に達してから半年後に発効。
発効によってクラスター爆弾の使用や保有、製造が禁じられます。向こう8年以内に保有する爆弾を廃棄すること、10年以内の不発弾除去、被害者支援などが義務づけられることになります。

クラスター爆弾廃絶への歩が、また一歩進められました。



■ 日本のクラスター爆弾の所有、そして、動き始めた全廃への道

日本は、子爆弾を数百個まき散らし、不発率が極めて高い「旧型」や「改良型」のクラスター爆弾を4種類保有しています。

自衛隊が保有するクラスター爆弾一覧
地図:クラスター爆弾を使える兵器を所有する、自衛隊部隊

自衛隊は1983年から2006年までに276億円分のクラスター爆弾を購入しています。
自衛隊がクラスター爆弾を調達する方法は2つあり、1つ目はアメリカの武器メーカーから直接購入する方法です。2つ目は、「ライセンス生産」という方法で、アメリカの武器メーカーから製造特許を取得した日本のメーカーが国内で製造したクラスター爆弾を、購入する方法です。クラスター爆弾は、石川製作所、小松製作所、IGIエアロスペースなどが製造しています。

2008年12月3日、ノルウェー・オスロの市庁舎で開かれた“不発弾が一般市民に被害を与えるクラスター爆弾の使用、製造、保有を禁じ、被害者支援や不発弾処理を定める「クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)」”の署名式に、中曽根弘文外相が出席し、日本はクラスター爆弾禁止条約に署名しました。

これにより日本政府は、条約の批准後、8年以内にクラスター爆弾を廃棄する義務を負います。2009年度から廃棄方法の調査を始めるとしています。

条約署名に先立って、日本政府は、現有爆弾を全廃したうえで、さらには欧州諸国が維持する「最新型」のクラスター爆弾も今後、導入しない方針を固めました。これで日本はあらゆる種類のクラスター爆弾も保持しないことになります。人道面を重視したためで、代わりに子爆弾をまき散らさない単弾頭の爆弾を整備するため、約73億円を2009年度予算に計上するとしています。

クラスター爆弾禁止条約では、子爆弾が数個と少なく不発率が極めて低い「最新型」は、例外として保有が認められているため、日本政府は、クラスター爆弾全廃への取り組みに積極性を示したことになります。独仏などは、「最新型」を生産しており、欧州諸国が導入するとみられます。

日本の劇的な方針転換の背景には、政府が人道上、不発弾による「副次的被害を避ける」ことを重視した点があります。最新型でも不発弾による被害が完全になくなる保証はなく、コストもかさむため、導入を見送り、子爆弾による被害の根絶を目指す方針を決めました。

同時に、条約の規制による影響を「極小化」するための方策は模索されています。今後、子爆弾を持たずGPS(全地球測位システム)によって正確に目標に誘導し、より遠距離から狭い範囲を攻撃するロケット弾などを導入する予定です。

日本は、海岸線から上陸する敵の「着上陸侵攻」を、大量の子爆弾をまくことで「面的に制圧」するため、クラスター爆弾を配備してきた経緯があります。条約案の採択後、防衛省や自民党内の一部から「廃棄する旧型に代え最新型を導入すべきだ」との声が相次ぎました。しかし、現在は着上陸侵攻の可能性が考えにくく、「面的制圧」の効果を疑問視する見方もあり、必要性が低いと判断されたのです。

政府はクラスター爆弾禁止条約の署名を受け、同爆弾の使用や所持を明確に禁止する新法を制定する方針を固めました。2009年1月召集の通常国会に、条約の承認案件や代替兵器整備のための予算案と併せ「クラスター爆弾禁止法(仮称)」案の提出に向け準備を急ぎます。

クラスター爆弾禁止条約は、「30カ国以上の批准」を条約発効の条件として定めており、政府は次期国会で条約批准(受諾)について承認が得られれば、首相の署名を経て「受諾書」を国連事務総長に提出します。2008年5月の条約合意以降、外務省は、条約締結によって負う義務を国内法でどう担保するかを検討。現行法ではクラスター爆弾を具体的に定めたものがないため、新法で同爆弾の使用禁止を明確化する考えです。

(2008年12月現在)

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